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幻想庭園

いろいろ書き散らしてます。 なお、掲載している内容につきましては、原作者様その他関係者様には一切関係ありません

女王の結婚 ニュー・スタイル


結婚後、光の女王は洞窟で出会った鍛冶師の娘に会いに行き・・・。


闇の王×光の女王 
















 ある日、光の女王は鍛冶師が集まる村を尋ねた。
 あの水晶の坑道で出会った鍛冶師の娘に会うためだ。
  あれから年月は流れ、彼女は適齢期を迎えただろう。
 結婚はせずに、鍛冶師になると言っていたがその後どうなったのだろうか。
 気になった女王は、娘の行方を捜してもらい、彼女が鍛冶師となり故郷で父の
鍛冶場を継いだことを知ったのだった。

「あの時のお姉さん!? お久しぶりです」
「久しぶりね。元気にしていた?」
 すっかり大人の女性入りを果たした娘は、すっかり元気になり笑顔で女王を出迎
えた。
「あなたがお父さんの跡を継いだと耳にしてね、会いに来たの」
「まぁ、わざわざありがとうございます」
 娘は女王を歓迎し、その後のことを語りはじめた。
 闇の王と共にゴブリン達から光の女王を助け出した娘は、その後闇の王の兵に
守られて故郷の村へ帰った。父親を弔った跡、自分を弟子にしてくれる鍛冶師を
探そうとしたという。それを懇意にしていた村の鍛冶師に伝えると女性の鍛冶師を
紹介してもらえたのだ。
「師匠は、私の父のことをご存じで、父の娘ならって私を弟子にしてくれたんです」
 指導は厳しかったが、勉強になることばかりで娘は一心に修行に励んだ。
 その後、師匠から独立の許可をもらい故郷の村へ帰ってきたという。
「お父さんの鍛冶場は、弟子だった人が守ってくれました」
「いいお弟子さんがいたのね」
「その人は、私が鍛冶師になることを最初は反対してたんですけど、村を出るとき
には応援してるって言ってくれたんです。鍛冶場も自分が守るからって。村に帰っ
てきてからも長老達や女の鍛冶師をよく思わない人達の間にも立ってくれました」
 そんなことを言いながら娘の頬がほのかに赤くなる。
「それで、私、その人と結婚することにしたんです」
「まぁ、おめでとう」
 光の女王は心からの祝福を述べる。
 光の加護を受け、娘は良き人に巡り会えたのだ。
「この村は有名だけど、女性ものを作る職人は少なくて。おかげで二人でなんとか
やっていけてます」
 娘は女性もの鎧や扱いやすい剣を造ることで客を会得し、常連もできたらしい。
「良かったわね。ここに来る前に店であなたの作ったものを見たけどなかなかの
出来だわ。私の鎧も一着あつらえてくれない?」
「わぁ、いいんですか」
「もちろんお代ははずむわよ。私からの結婚祝いよ」
「そんな、お代なんていりません。お姉さんにはお父さんを助けてもらった恩も
あるし」
「恩なら一番良い鎧を作って返してちょうだい。それが一番うれしいわ」
「お姉さん・・・。ありがとうございます。今の私の持てる力を振り絞って素敵な
鎧を作ります」
「期待してるわ」
 さっそくサイズを採寸し、デザインの方向性や使う素材などを決めた。
「できあがったらここに連絡をちょうだい」
「わぁ、エテルナの宮殿!?お姉さんはすごいところに勤めてるんですね。旦那さ
んも高官か何かなんですか?」
「ふふっ、まぁ、そんなところね」
「闇の王に仕えているんですもの、旦那さんは立派な人なんですね」
「ええ、素敵よ。それに時々とっても可愛いの。それがいいわね」
「やだぁ、お姉さんたら」
 あはは、おほほと二人は笑い合った。


+++++++++++


 鍛冶師の娘の元を訪ねてからしばらく経った頃、娘から一着の鎧が納品された。
「それが例の娘がしつらえた鎧か」
 闇の王が興味深そうに尋ねる。
「ええ、そうよ。初めて着るデザインだから似合うかどうかはわからないけど」
「前に来ていたのと同じじゃないのか」
「せっかく新調するんだし、今世風のデザインを取り入れたの。さっそく着てみる
わね」
 女王はいそいそと鎧の試着に向かった。

「どうかしら、私の新しい鎧のデザインは?」

 鎧を着てきた女王の姿を見て、闇の王はどれどれと観察を開始する。
 今世風のデザインを取り入れたと言うが、フルアーマーではなく、動きやすいよ
うボディスーツの上に鎧のパーツを身につけているし、デザインも前の鎧から大幅
な変更はない。パーツの面積が増えて、鎧の意匠が少し変わったくらいだ。 
(あと、変わったと言えばマントがないくらいか・・・)
 と、闇の王は気づいた。
「ああ、髪型も変えたんだな」
 以前の女王は鎧を着ていたとき髪を結わえることはしていなかったが、今の女王
は、宮殿の女のように長い髪を複雑に編み込み、短くまとめている。
 おかげで首元がすっきりとしてうなじも見えている。
「その髪は鬱陶しくないだろうが、手間がかかるだろう」
「まぁね。でも、こうしないと髪が肌にこすれて背中がこそばかゆいのよね」
「肌にこすれる?」
 マントがないせいかも知れないが、肌にこすれるとはどういう意味だろう。
「この鎧、背中がこうなってるのよね」
 女王をくるりと背中を向ける。
 鎧の背中のデザインを見て、闇の王はぎょっとした。
「何だその鎧は!?背中が丸出しではないか!!」
 鎧は背中までカバーしておらず、ボディスーツも背中の部分か腰から肩にかけて
ぱっくりとVの字に割れ、女王の美しい背中が無防備にむき出しになっている。
 スーツがよれないように開いた箇所には、格子状に黒い紐が通されているが、
それがより背中の美しさと淫靡さを引きだたせている。
 お尻もボディースーツのみでぴっちりした黒いスーツが女王のむっちりとした
形の良いお尻を引き立たせていた。
「背中を敵に向けないって言う決意を表したデザインなんですって。ちょっと大胆
だけど、コンセプトは気に入ったわ」
 ふふんっと女王は気合いを入れる。
「この鎧を身につけた者は背中に傷を負わないそうよ。私もそうしてみせるわ」
「それはいいが・・・その、本当に良いのか?」
 珍しく闇の王が戸惑いを見せる。
「そのデザイン、光の者には刺激が強すぎるだろう。ガリバルディとか見たら泣き
わめくんじゃないか?」
「たしかにそうね」
 奔放なのが闇の者の特性ならば、光の者は逆に謹厳な正確な者が多い。
 それは服装にも現れ、過度な肌の露出は眉をひそめる者が多かった。
「でも、ここにはもう光の戦士はいないわ。これぐらいの露出はあなた達なら見慣
れてるでしょ?」
「それはそうだが、お前、闇の者についてなんか勘違いしてないか?」
 本能に忠実な闇の者達は大胆なデザインの衣装を好み、その昔は女王の露出は
露出には入らなかっただろう。だが、闇の世紀が続いたせいで彼らの性質も昔と
変わってきている。
 この光り輝く絶世の美女の大胆な背中を見て、正気を保てる戦士はどれほどいる
だろうか。
「そんなつもりはないけど。でも、せっかくあの子が作ってくれたんだし、しばら
く着てみるわ」
 女王の言葉に闇の王は、なにっ!?と反応する。
「その大胆な背中を見せつけて過ごすつもりか!?」
「見せつけてって何よ。鎧は着通してみないと具合がわからないってあなたも知っ
てるでしょ?」
「知っているが、許せん。女王。その鎧を身につけたければ私を倒してからにし
ろ!!」
「なんでそうなるのよ!?」
 いきなり臨戦態勢に入る闇の王に、光の女王は「はぁ!?」とあきれながらも
これも良い訓練になるかと気を取り直す。
「いいわよ。この鎧の効能もわかるしね」
「私にその背を見せたことを後悔させてやろう」
「あなたは背後からの奇襲攻撃が得意だったものね。いいわ。背中を傷つけさせな
い決意の表れを見せてあげる」
 夫婦は場所を変え、往時の頃のような戦いを繰り広げた。



「無念だ・・・・」
「おほほほほ。腕が鈍ったわね、闇の王」
 地面に倒れ伏す闇の王の傍で、光の女王は高笑いをする。
「ぐっ、その背中さえ見なければ・・・」
 女王に鎧の危険性を伝えるためにあえて背後を狙ったのだが、逆に背中の淫靡さ
に気を取られてやられてしまった闇の王だった。
「うんうん。稼働状態も良い感じね。溶岩の鋳造所にいるあの子の父親に良い報告
が出来るわ。あなた、ちょっと行ってくるわね」
 上機嫌な女王は、まだ地面に倒れている夫を放って、溶鉄教団の本部である鋳造
所へ行こうとする。
 実は、鍛冶師の娘の元へ行った帰りに、鋳造所にいる彼女の父親の元へも寄った
のだ。父親は娘が一人前の鍛冶師になり、夫を持ったことを大変喜び、娘の作品を
見たいからぜひ鎧を見せて欲しいと言われたのだ。
「ま、待て・・・」
 闇の王はよろよろ立ち上がる。
「女王、お前はまだその鎧の恐ろしさがわかっていない」
「まだ言うつもり?」
 もう、何が不満なのと女王は不満げにする。
「この鎧は素敵よ。このデザインのおかげで逆に絶対に背中を取らせないと思える
わ」
「だが、それでは防戦一方になるぞ」
「それはそうね。でも、私には光の矢があるし、隙なんていくらでも作れるわ」
 歴戦の勇士でもある女王は自身の弓の腕前に自信を覗かせる。
「あなたに勝てるくらいだもの。他の者なんて敵ではないわ」
「ぐっ・・・」
 女王の意志は強固でなかなか崩せない。
 だが、闇の王は諦める気はない。
 女王の背中の美しさが皆に気づかれるか否かの瀬戸際なのだ。
 自分以外の者が、女王の背中に見とれるなど許しがたい。
(考えろ、考えるのだ・・・!!)
 あるはずだ。あの背中の弱点が。
 しかしなかなか思い浮かばず、じりじりと強い日差しが王の肌を焼く。
 その時、闇の王ははっと太陽を見て思いだした。
(そうだ・・・・遙か昔、こんな露出度の激しい格好をした女が言っていた)
 女は戦闘を好んだが、昼間に戦うのはいやだと言っていた。
 その理由は、
「女王、その鎧はやっぱりよせ。そんな鎧を着てるとな」
 闇の王は叫んだ。

「日焼けのせいで、背中に変な模様が出来るぞ!!」

 闇の王の叫びは、空へ木霊した。
「・・・・・・・・」
 光の女王は、目を丸くして、しばし言葉を失っていたが、

「やっぱり、この鎧やめるわ」
 あっさりと着ていた鎧を諦めた。
 それを聞いた瞬間、闇の王は心の中でガッツポーズした・・・・・が、




「長年着ていただけに、こういうデザインの方がしっくりくるわね」
 やっぱりこっちの方が私らしいわと、また新しく作った鎧を身につけ、光の女王
はご満悦だった。
 長く闇の王と対峙していた時に着ていた鎧をベースに、鬱陶しくないよう豊かな
髪を三つ編みにまとめ、ばさばさしたマントも取ってしまった。
「この方が動きやすいわ。なぜもっと早くしなったのかしら」
 とご機嫌の光の女王に対し、闇の王は、
「・・・・・・・(怒)」
 ぶすっとむくれていた。
 というのも
「ちょっと、闇の王。私のお尻ばかり見ないでよ」
 もぅいやぁねと光の女王は、スケベオジを見るようなまなざしを夫に向ける。
 女王の新しい鎧は、動きやすさを重点視して、マントを取り払ったのは良いが、
臀部周辺を覆う鎧パーツまで取り払ってしまったので、光の女王のぷりっとして
きゅっとしたお尻が身体のラインにぴったりと沿うボディスーツのおかげで強調さ
れてしまったのである。
「いいじゃない、こっちの方が動きやすいんだし。見とれる間もなく斬り伏せるか
ら大丈夫よ」
「そういう問題じゃない」
 なぜわからんと、男心と夫の気持ちに鈍い妻に、闇の王は苦虫をかみつぶた。








 
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