5.神を信じる国だけれども迷信だってあるんだよ
突然ですが、ダテが風邪を引きました。
ダテ「う~だるい~。のどいたい~。くすりはにがいからい~や~だ~」
スグリ「まったく、20過ぎとは思えんなお前は」
ほら、おとなしく飲めとスグリから差し出された薬を喉に押し込まれるように入れら
れ、嫌がりながらの、喉の奥に流し込むダテ。
ダテ「にがい~」
スグリ「はぁ、まったく」
クラウス「よぉ、ダテ。調子はどうだ」
ほかほかと湯気を立てるマグカップを持ってクラウスが部屋に入ってきた。
クラウス「ほら、これ飲め」
ダテ「あまい」
クラウス「エッグノッグだ。卵と砂糖と牛乳入り。栄養たっぷりだぜ」
風邪を引くと姉貴が、バラのハチミツ湯と共に良く作ってくれたとクラウスは懐か
しそうに語る。
ダテ「うまい~」
クラウス「そっか」
そのとき、スグリの無線が鳴る。
スグリ「すまん、呼び出しだ。後を頼む」
クラウス「おう」
スグリが部屋を出て行くと、クラウスはダテをベットに寝かしつけ、首まですっぽりと
毛布を掛けてやる。
クラウス「ほら、もう寝ろ」
薬が効いてきたのが、ダテはすぅと眠りに入った。
おやすみとぽんぽんと布団を叩き、さて俺もと席を立とうとしたクラウスは、おっ
とと、一緒に持ってきた袋を思い出す。
クラウス「そうそう、これこれ。料理長が言ってたっけ、これが風邪に良く効くって」
でも、かわってんな~とおもいつつ、クラウスは教えられたとおりの処方をダテに施した。
アズサ・モリヤ「「・・・・・・」」
それからしばらくして、見舞いに来たアズサとモリヤはダテの様子に絶句した。
アズサ「ダテ、変だよ」
モリヤ「そうだな」
((なんで首にネギが・・・・))
6.クラウスの必殺技
ハセベ「クラウスー!どこだー!!どこへ行ったー!!!(怒)」
廊下の彼方に、侍従長の怒鳴り声と走り去る音が消えていった。
アズサ「いきましたよ」
クラウス「サンキュー、アズサ」
アズサの部屋のベットの下の隙間から這い出てくるクラウス。
クラウス「いやー、まいったまいった。まーたハセベに追いかけられてさぁー」
あいつ何でも俺のせいにしすぎなんだよなぁと言うクラウスに、クラウスとハセベ
のおいかけっこが日常茶飯事とかしているためアズサはあえて、追いかけられた理由
を聞かなかった。
クラウス「最近は必殺技も効かなくなってきたしさー、まいるぜ」
アズサ「必殺技ですか?」
クラウス「おうよ、この技を繰り出せば、みーんな動揺して怯むから、そのすきに逃
げ出すのさ」
新しい技を見つけねーと、と言うクラウスにアズサは聞いた。
アズサ「その必殺技って、どんなものなんですか?」
クラウス「簡単だよ。こう言えばいいのさ」
「ワタシ、コノクニノコトバ、ワッカリマセーン」
クラウス「って、言ったら大抵何とかなったぞ」
アズサ「大尉!それ、必殺技じゃないですよ!!(汗)」
しかし、この国の人間の大半が、その言葉に弱いのは事実であった。