戦う!セバスチャン
セバスチャン×デーデマン でも二人は出てこず、使用人ズの話です。
十数年前に書いたものがでてきたので、せっかくなのでアップしました。
今読み返すと、中途半端な話です。

「俺、思ったんだけどさ」
ここは、デーデマン家使用人控え室。今居るのは、使用人A、B、ツネッテの三人組。
「大旦那様って、セバスチャン大好きだろう」
「そうだな」
「それがどうしたのよ」
「もし、大旦那様が旦那様じゃなくて、セバスチャンにこの家譲ってたらどうなってた
かなぁーって」
セバスチャンがデーデマン家当主・・・。
「あり得ない話じゃないわよね」
「大旦那様が、考えなかった話じゃねぇな」
「だろだろ」
三人は想像してみる。セバスチャン、デーデマン家当主バージョンを・・・。
「まず大旦那様は、隠居とばかりに国外に追放だな」
「でしょうね」
普段の大旦那様のセバスチャンに対する態度を考慮すると100%間違いない。
「で、ヘイジは、即抹殺ね」
これも右に同じ。
「奥様は・・・」
「まぁ、そのまんま・・・?」
「古参のヨハンさんとマイヤーさんは・・・」
「あの人達は重宝されるよ」
長く居着いた使用人、手放すはずがない。
「使用人か~」
「募集したら数百人単位で来そうだな」
「なんせあの美貌だものね~」
そうだったらどんな手使ってでも絶対就職するだろうなーでもって、想像して
鼻血を出すA。
「で、この町の・・・いや国・・・」
「なに言ってんの。セバスチャンなら世界の経済を牛耳るわよ」
なくはない。
「そんなセバスチャンの元には、嫁になりたい人が群がってくるよな」
ああ俺が女だったら・・・本気で悔しがるAを冷めた目で見るBとツネッテ。
「あんたなんか、セバスチャンが相手にするわけ無いでしょ」
「あれだけの地位、財産、美貌持ってたらそこんじょそこらの女じゃダメだな」
「そ、そっかー」
なにせ数百年フラン○フルトを支配してきたデーデマン家当主だ。たとえ女であっても
庶民は数に入らないだろう。それでも一筋の希望を胸にハンカチを噛むA。
「相手は各界の名士の娘か」
「そして血みどろの争いを繰り広げるのね」
女の争い・・・想像するのも怖いなと思うB。
「でも、あの美貌だと男もよってきそう」
そうするとそうすると・・・キャーと歓声を上げて脳内劇場を開演させるツネッテ。
「男か・・・・。なんか無理矢理旦那様を嫁にしそうだな。」
Bの爆弾発言に二人は悲鳴を上げる。
「な、なんでぇ !!」
「どうゆうことよ !?」
うるさいなと顔をしかめつつコーヒーを飲みながらBは続ける。
「いや、セバスチャンが当主になったら旦那様はどうなるかを考えると」
その言葉にハッとする。
「そうだ、旦那様を忘れてた」
「でも嫁って」
だが、思い返してみるとセバスチャンはなんだかんだ言いつついつもデーデマンの
側にいた。
誰か親しく話しかけようものならさりげなく邪魔をし、この間デーデマンの見合い話の
手紙を焼却しているのをツネッテは目撃している。
その時のセバスチャンの顔は、筆者の筆力では描写できないほどの表情をしていた。
それを目撃したツネッテが真っ青になって震えていたということだけ書いておこう。