聖闘士星矢 EPISOED・G
コイオス×ポイペ
夫婦の朝の支度風景。
十数年前に書いたものがでてきたので、せっかくなのでアップしました。
腰をゆうに通り過ぎるほどの長い髪が邪魔にならぬよう、毛糸玉のように丸め、上で留める。
幼き頃は、侍女達が、
少女の頃は、姉妹達が結ってくれた。
そして、今は 。
「君の髪は美しいな」
髪を梳きながら、コイオスは呟く。
ポイペは肘掛け椅子に腰掛け、髪を結ってもらっていた。
長い長い髪の毛に、根本の方から丁寧にゆっくりと櫛を通す。
艶めいた洗い立ての髪に、櫛はさぁーと通り、梳き終わった髪はさらさらと舞い落ちる。
「いつものでいいかい?」
「ええ、お願いするわ」
ポイペは、長い髪を持ちながら、滅多にヘアースタイルを変えることはなかった。
なぜかと聞くと、この髪型は、一度結ってしまえば邪魔にならないし、楽なのだそうだ。
「たまには変えてみないのかい?」
君なら何でも似合うよと、いろいろ形作ろうとするコイオスにポイペは呆れた声で返す。
「そう言って、変えたら元の髪型に戻してくれって泣いて頼んだのはどこの誰?」
「・・・・・・・・・そうだったな」
痛いところを突かれ、コイオスは苦い顔になる。
実を言うと、二人の結婚式の時、姉妹達が「こんな時くらい別のに変えよう」といつ
もとは違う髪型に結ったのだ。
いざ式場に出ると、コイオスは目を丸くし、賓客達は耽溺の声を漏らした。
これを嫌ったコイオスに懇願され、以来ポイペが他の髪型にすることはなかった。
「あの時の君は、想像以上の美しさだったからな」
「もう、変なこと言わないでちょうだい」
恥じらいからか、ポイペの頬が紅くなる。
「早く結ってちょうだい」
「ぅん・・・・ああ」
髪を真ん中から二つに分け、球状になるよう、うまくまとめ上げる。
いつもの定位置に持って行き、ピンで留める。
二つとも行い結い終わる。
「できたぞ」
「ありがとう」
最後に鏡で確認し、これで朝の日課が終了した。
こうなり始めたのは、愛し合い始めてから・・・。
結婚した今では、朝の日課。
朝の短い夫婦の時間。