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幻想庭園

いろいろ書き散らしてます。 なお、掲載している内容につきましては、原作者様その他関係者様には一切関係ありません

存在意義

聖闘士星矢EPISODE・G   クロノス 独白
記憶のないことの苦悩。
十数年前に書いたものがでてきたので、せっかくなのでアップしました。
創作を始めたばかりの頃で、つたないです。
今から作品を見ると、めっちゃ初々しいです。







 クロノスは、テラスから外を見下ろしていた。
 城の周りに集まる人々。
 クロノスの名を呼び、歓喜の叫びを上げる。

 我はなんだ?

 クロノスは問う。
 我は何者なのだ?
 何故ここに在る?
 わからない。
   わからない。
 我は己というものを知らない。
 なのに、なぜ、皆、我を知っている?
 なぜ、我の名を呼ぶ?
 なぜ、我を崇め、敬う?
 
 クロノスは胸に走る痛みを感じる。
 なぜだか、自分が許せなくて。 
 自分は彼らを裏切っているような気がして。
 悲しませているような気がして。
 傷つけているような気がして   

 やめろ!


 クロノスは叫び出しそうになる。

 やめろ、我の名を呼ぶな!
 我はお前達を知らない。
 お前達が望むようなことをしてやれない。
 我を崇めるな。
 我を敬うな。
 我のために、命を捨てるな!

 クロノスは耳を塞ぎ、うずくまる。

     我は・・・・なんだ?

「我はなぜ・・・・・ここに・・・いる・・・?」

 クロノスは問う。
 闇に、雷光に、鳴り響く鐘の音に。

     誰も答えてはくれなかった。

 そして、今も、見つからない。
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