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幻想庭園

いろいろ書き散らしてます。 なお、掲載している内容につきましては、原作者様その他関係者様には一切関係ありません

海に抱かれる


水に抱かれ、まどろむ。

聖闘士星矢EPISODE・G      オケアノス×テテュス  R15

十数年前に書いたものがでてきたので、せっかくなのでアップしました。
創作を始めたばかりの頃で、つたないです。




 水の中にいるのが好きだった。
 ひんやりとした冷たさは、やがて温かみへと変わり、あたしの身体を包み込む。
 在るのは沈黙。静かなる世界。
 ここには、水の上の世界での恐怖がない。
 水の中(ここ)はあたしの安全地帯。



「あっ、あっ」
 後ろから抱きかかえられ、突き上げられる。
 そのたびに湯船の湯が中へ入り、熱さが増す。
「あ、ふあっ。もうっ・・・」
 のぼせそうな熱さ、絶え間なく押し寄せる波に、テテュスは意識が飛びそうになる。
「んっ」
 強引に唇をふさがれ、息まで続かなくなる。
「ん         っ」
 より激しくなった波にさらされ、
「んん      っ!!」
 絶頂へと持って行かれ、テテュスの意識は遠くへさらわれた。


 目覚めたときにはベットの上だった。シーツのひんやりとした感触が、ほてった身体を
冷やしていく。
「目覚めたか」
 縁に、オケアノスが座っていた。 
「大丈夫か」
 オケアノスの手が額に触れる。その冷たさが、ぬくもりが、気持ちいい。
「お水ちょうだい」
 オケアノスは、ベットの脇に置いてあった水差しの水をグラスに入れると、テテュスの
上半身を持ち上げ、グラスを口元へ持って行く。
 冷たい水が咽を通り、身体全体へ染み渡る。
「ありがと」
 飲み終えると、またテテュスはシーツの上に横たわった。
「あんなところでするのはよくない。もうやめろ」
「でも、あなたはあたしを抱いた」
 そう言うと、ぐうっと口を閉ざしふいっと顔をそらすオケアノスに、ふふっとテテュスは
笑みをこぼす。
 風呂場に押しかけたあたしを拒まず、迫ったら押しとどめながらも結局は受け入れる。
 だからオケアノスが好きだ。
 水と同じように、あたしを受け入れる。
「どこだってね、いいのよ。触れあえたならそれで」
 テテュスは起き上がるとオケアノスの手を取り、頬に押し当てる。
「拒まないでくれたらさ、それだけでいいの」
 こんな独りよがりの想いは、迷惑以外何者でもないかもしれない。
 

「拒まぬよ」


 オケアノスはさっとテテュスを抱き上げると、ベットに腰掛け、テテュスを膝の上に
のせる。
「拒まぬから安心しろ」
「・・・うん」
 その身に身体を預ける。抱きしめられる安心感は、水の中と同じ。ううん、もっと
水とは違う温かみがある。
 ここは水の上の世界。でも恐怖はない。
 愛する人の腕の中は、なにものにも代え難い安心と安らぎがある。

作成当時の後書き

久々の更新です。 私設定なんですけど、テテュスは、泳ぐのが好きで、水が好き。泳ぎは
200海里はいけるんじゃないかと。 
 その水の中にいるときの感触とオケアノスに抱かれているときが似ていると言うことを
書きたかったんですけど、うまく伝わったかな。
 テテュスはオケアノスが大好きです、べた惚れです。そう言うのを前面に出した話も
書いてみたいなぁ(いつのことになるのやら。頭の中で終わるかも)。
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