聖闘士星矢EPISODE・G コイオス×ポイペ R12
十数年前に書いたものがでてきたので、せっかくなのでアップしました。
「あっ」
背中に走る針を刺すような痛み。
「駄目よ、コイオス。つけては駄目」
ポイペの懇願もむなしく、コイオスは、次々とポイペの背中に紅い華を散らしていく。
「だめ、やめて」
ポイペは必死に拒むが、それをあざ笑うかのように、コイオスはポイペの躯を反転させ
あお向きにし、首筋に唇を這わす。
「んっ」
そこにひときわ大きな華を咲かせると、今度は胸の辺りに小華なを散らしていく。
「だめ・・・あっ」
ポイペはびくりと身をよじり、コイオスの頭を己の胸に押しつける。
「あ、ああっ」
◇ ◇ ◇
「んっ・・・」
激しい愛の後に落ちた眠りから覚めたポイペは、身を起こす。
隣では、コイオスがまだぐっすりと眠っている。
(なんて幸せそうな顔だこと)
起こさぬようそっとベットから降りると、ポイペは浴室へと向った。
(またこんなにたくさん)
浴室にある大きな鏡に映る自分の姿。
胸と背中に集中して、紅い花びらが全身に散らばっている。
「やめてって言ってるのに・・・」
どんなに拒んでも、コイオスはやめてはくれない。
逆にたくさんつけようとする。
ポイペが拒めば拒むほど、執拗になるのだ。
「全部消さないよね」
手のひらに小宇宙を集中させ、紅い華に触れる。
すると、華はふっと消えた。
見えるところ、わかりにくいところ全てを丹念に探して消してゆく。
前は全て消せたけれど、最近は付ける位置が巧妙になり、ある時消し忘れたのを
妹たちに見つかり、からかわれてしまった。
あの時の恥ずかしさと言ったら・・・。
ポイペはハァーとため息をつく。
愛されるのは嬉しい。
でも、こんなのは嫌だ。
何か対策を考えないととぶつぶつ言いながら華を消していると、突然後ろから抱きすく
められる。
「きゃっ!!」
「また消しているのかい。消さなくていいのに」
「コイオス!」
いつのまに後ろに忍び寄っていたのか。
(全然気づかなかったなんて・・・)
「今のポイペの方が妖艶で美しいのだが」
「馬鹿なこと言わないでちょうだい!!」
離してよと、コイオスのたくましい腕を押しのけようとするがびくともしない。
「ポイペは私に痕を付けられるのが嫌か?」
「そうよ」
ポイペはきっぱりと言い放つ。
「なら、私と肌を重ねるのも嫌なのか?」
「なっ」
(何でそうなるのよ)
「そんなわけないでしょ」
コイオスと肌を重ねる行為は嫌いではない。
むしろ 。
「なら、なぜ嫌がる」
痕を付けるのは、ポイペを誰にも渡したくないから。
誰も彼女に触れぬよう、己の女(もの)だという証を付ける。
見えるところにも付けるのは、それを知らしめるためなのに 。
コイオスの真剣な問いかけに、ポイペはしばし口を閉ざしていたが、やがてゆっくりと
語り出した。
「 貴方はね、やり過ぎなのよ」
他人から見えぬところに一つか二つというならいざ知らず、見えるところにまで、
しかも大量に付けるのだ。
これでは、愛されたことの嬉しさよりも、羞恥心の方が勝ってしまう。
こう見えても、ポイペは姉妹達の中で一番そういう部分が強いのだ。
「貴方のことが嫌いなわけじゃないのよ」
愛している。
そうでなければ、肌を許したりなどしない。
「でも、少しは私の気持ちも考えてちょうだい」
「これでも、配慮しているつもりなのだが」
「まだ足りないのよ」
コイオスは、どうも腑に落ちないという顔をしているが、ここで納得させなければ、
また同じことが繰り返される。
「コイオス」
ポイペはコイオスの唇に自分のそれを重ねる。
「大好きよ、愛してるわ」
「ポイペ」
またとないポイペからの愛の言葉に、コイオスは嬉しそうな顔をする。
( 堕ちた)
これでコイオスは、むやみに華を散らしたりはしないだろう。
だが、今度は痕を付ける代わりにと、やたらと濃くなった愛撫に悩まされることになる。
作成当時の後書き
今まで書いた作品より、色気度アップ。 この夫婦はこうゆう話がよく思いつく。この二人が
大人だからか。