いろいろ書き散らしてます。 なお、掲載している内容につきましては、原作者様その他関係者様には一切関係ありません
糸杉(イトスギ) 死
風に乗って古い骨のにおいがした。
タキは、ここを聖地と呼んだ。
他の奴らは、ここを穢土と呼ぶ。
何があったのか俺は知らないが、ここの奴らは先の大戦で散ったあまたの英霊を置
き去りにして、知らぬふりを決め込んでいるらしい。
ここは、あいつらにとって存在していないも同然なのだ。
あってはならぬモノ。
それでもタキは、すべてをわかっていたうえで、ここを取り戻したいと言っていた。
ここに来たいと望んでいた。
スグリが言っていた。
ここはレイゼン家の始祖が眠る土地。
古き外つ国の神が来た約束の地なのだと。
何が約束なのかは俺は知らない。
けど、俺にとってもここは約束の地だ。
タキが望むなら、俺は必ずあいつをここへ連れて行く。
何があっても必ずだ。
その約束を果たすために、俺は必ず帰る。
「来た!通信終了。ライト消せ!!」
ふと、誰かが呼んだような気がした。