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幻想庭園

いろいろ書き散らしてます。 なお、掲載している内容につきましては、原作者様その他関係者様には一切関係ありません

骸ヶ原

百日の薔薇 クラウス・独白

2巻のエウロテの列車に乗り込む直前の設定です。



糸杉(イトスギ)       死


 

 風に乗って古い骨のにおいがした。

 タキは、ここを聖地と呼んだ。

 他の奴らは、ここを穢土と呼ぶ。

 何があったのか俺は知らないが、ここの奴らは先の大戦で散ったあまたの英霊を置
き去りにして、知らぬふりを決め込んでいるらしい。

 ここは、あいつらにとって存在していないも同然なのだ。

 あってはならぬモノ。

  それでもタキは、すべてをわかっていたうえで、ここを取り戻したいと言っていた。
 ここに来たいと望んでいた。

 スグリが言っていた。

 ここはレイゼン家の始祖が眠る土地。
 古き外つ国の神が来た約束の地なのだと。

 何が約束なのかは俺は知らない。

 けど、俺にとってもここは約束の地だ。

 タキが望むなら、俺は必ずあいつをここへ連れて行く。

 何があっても必ずだ。

 その約束を果たすために、俺は必ず帰る。

「来た!通信終了。ライト消せ!!」

 ふと、誰かが呼んだような気がした。






















 

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