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幻想庭園

いろいろ書き散らしてます。 なお、掲載している内容につきましては、原作者様その他関係者様には一切関係ありません

切ない関係を表す言葉


 純情ミステイク 井坂独白。

 2人の関係について考える。 

 なんかよくわからなくなった。

 井坂が井坂じゃないような気がする。


 純情ミステイクでお題 1.幼馴染み







「君(あなた)と朝比奈君(さん)の関係ってなんなの(なんだい)(なんですか)?」
 

 それは、どんな年代の男女を問わず聞かれた質問。
 そのたびに、相手との親密度やTPOに合わせて、
 「古くから付き合いです」
 「昔なじみなんです」
 「小さい頃からの俺の下僕だ」
 なんて、答えていたが、たいていはこれで通していた。

「幼なじみです」

 うそではない。

 小学生の頃に出会ったのだ。
 それから小中高大、就職先まで同じだ。
 ずっといっしょで、
 普通の幼なじみの関係とは違うかも知れないが、それでも馴染みは馴染みだ。

 でも、近頃思うのだ。

「なあ、俺たちっていつまで幼なじみなんだ」

 後ろから首に絡みついてくるなり、上げられた不満げな言葉に、朝比奈は目を丸くする。
「なにを馬鹿なことを。幼いことから付き合いがある者同士を幼馴染みというんですよ?」
「知ってるよ」
 井坂は首に回す腕に力をこめ、後頭部に頬を寄せる。
「でも、恋人だって言ってやりたいときもある」
 朝比奈に好意を向ける女に出会うたびに叫びたい。
 朝比奈は俺のだと。
 俺の恋人だと。

 同性同士で、それなりの社会的地位を持つ2人がそんな関係だと、おおやけに知られれば、どうなるか。
 まだまだ、世間は好奇と悪意の塊だ。 
 この業界、そんな話はけっこうそこらに転がっているが、2人は他の世界とリンクする位置にいる。
 秘めていることが無難なのだ。
 頭では理解している。
 けれど、心は時に裏切る。


「その言葉だけで充分です」
 朝比奈が言った。
 満足そうな声だった。
「龍一郎様がそう思って下さるなら、私は幸せです」
 
 朝比奈はいつもこうだ。
 俺が好きならそれでいいと。
 そばにいられたら幸せだと
 どうしてこう,受け身なんだ。

 幼馴染みなんて嫌いだ。
 この奇妙な関係さえなければ、もっとすっぱりとした関係を気づけただろうに。

 それでも俺は、この関係を手放す気などないのだ。
 

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